良導絡自律神経調整療法

良導絡自律神経調整療法は、電気針などによって自律神経を調整する理学療法で、故中谷義雄先生(医学博士)が創始された治療法です。以下にその特徴をお話しします。

未病を判定する

東洋医学には未病という考え方があります。健康な人が病気になる前の状態で、まだ病気ではないが、放置すれば病気になるかもしれない健康と病気の間のグレーゾーン、病気が発症する前の身体の状態のことを未病といいます。検査に異常がないので、西洋医学的には、不定愁訴や自律神経失調症と診断されることが多いですが、この未病を判定する方法が良導絡自律神経の測定です。

自律神経の状態を数値化

良導絡測定は、手足24ケ所の代表測定点の皮膚通電抵抗を測定することにより、交感神経系の興奮性を知ることができます。自律神経の状態を数値化して見ることができるので、普通ではわかりづらい鍼灸治療の診断方法と違って、一定のルールに従って測定すれば、誰がいつ行っても同じ条件で測定時点の状態を測定できます。
測定結果から、患者さんの体調や症候、元気度、ストレス、病気を治そうとする力がわかり、体力の盛衰状態を知ることができます。これらは、治療方針の決定や刺激量に対する支援となります。また、経時的測定により、治療効果判定や予後など多くの情報を知ることができます。

副作用が少ない安心・安全な治療法

この治療法は医師が開発したことから医師の方にも取り入れられています。しかし、医学部では鍼の刺し方については学びません。しかしながら、多くの医師に取り入れられているのは事故や副作用がない安全な治療だからです。西洋医学では悪いところを切除したり、薬によって痛みや熱を抑えたりする治療ではなく、ツボを刺激することにより自律神経の働きを正常化し、血行を良くしたり、免疫力を高めたりする治療です。西洋医学のようなすみやかな効果というよりは、穏やかに体質に働きかけ、自己治癒力を高めていきます。ですから幼児にも、体力のないお年寄りにも安心して受けて頂けます。

まれに現れる副作用としては倦怠感やだるさです。もし治療後に倦怠感やだるさを感じた際には少しお休み頂ければ元にもどります。その際は是非こちらにもお伝えくださいませ。

医師によって考えられた、西洋医学と東洋医学の架け橋となる鍼灸治療

良導絡治療は、永年の経験と歴史をもった鍼灸を科学化し、理論づけたものです。西洋医学が効かない疾患に対しては良導絡治療で、西洋医学が効果のある疾患に対しては良導絡治療を補完的に使う。西洋医学と良導絡治療を併用し、それぞれの良さを生かしながら治療することで、さらに良い治療となります。